小川屋・スタジオ桑町ブログ
いよいよ9月に入りましたね! 先日棚卸を行いました。
ついこの間決算セール&棚卸をしたような気がしますが、あっという間に半期が過ぎたのですね…。
仕事をしていると月日の流れるスピードが速くて、本当に驚きます。
今月からはいよいよ前撮りの本格シーズンに突入します。
それに先駆けて、当店での前撮り時の注意事項をまとめたプリントを作成していて、ふと気になったポイントがありました。
それは、着物を着る際の下着事情。
人様に聞くのは、ちょっぴり恥ずかしい部分でもありますので、今回は思い切って記事にしてみようと思います!
これから成人式や七五三などでお着物を着る機会があるお客様の参考になれば幸いです。
そもそも和装用下着って必要?
着物を着るための和装用の下着があるって知っていますか?ちなみに、前野は小川屋に入社するまで 和装=ノーブラ(orさらし)だと思っていました。(笑)
いつの時代の人間なの!とツッコミを受けそうですが、着物を着る機会がない人にとっては、「普通の下着じゃダメなの?」と思いますよね。私もそうでした。
ですが、入社して着付けを習い始めてから、和装用下着の重要性を、と~っても痛感しました!!
洋服と着物の大きな違い
人体、特に女性の体とは緩やかな曲線で出来ています。洋服は、そんな体の曲線に合わせて作られています。
一方、着物は上から下まで、ストンと直線で出来た衣服です。
つまり、着物を美しく着付けるためには、着物に合わせて極力体を直線に仕上げる必要性がある、ということ。
バスト、ウエスト、ヒップ…主に体幹部は凹凸が多い部分になります。
そこで、凸はしっかり押さえて平らに、凹はタオルやパッドで足して補正をする。
そうして真っ直ぐなIラインを作り、その上から着物を着付けます。
凸凹のままだとどうなるのか?
着物は縦の直線ラインだけではありません。衿合わせや帯、おはしょりなど、すべてが直線でピシッとしていないと美しい着姿にはならないのです。
もしも、補正をきちんとしないまま着物を着付けるとどうなるのか…? もうお分かりですよね?
直線を作ることができないので、よれよれとしただらしない着姿になってしまうのです。
着物に変な皺が入ってしまったり、衿やおはしょりなどが整わず、乱雑な印象になります。
また、帯にお胸が乗ってしまうなど、体のラインが悪目立ちすることで太って見えてしまいます。
さらに恐ろしいことに、着姿が決まらないと、老け見えしてしまう原因にもなるのです…!!
そして、最終的には着崩れの原因ともなります。 美しく、快適に着物を着るためにはベースとなる下着・肌襦袢・補正がとっても重要なのです。
普通の下着と和装用はどう違う?
盛るか、平らにするか
和装下着の中でも一番大切なのは、和装ブラジャーです。前述した内容を踏まえますと、通常のブラジャーと和装ブラジャー、何が違うのかというと、そもそもの目的が全然違うことが分かります。
普段皆さんが着用しているブラジャーというのは、しっかりと固定しつつ、お胸を美しく見せることが目的です。
人によっては+αで「谷間を作りたい!」「脇や背中のはみ肉は無くしたい!」「もっと大きく魅せたい!」など様々な欲望(?)も反映しています。
一方で、和装ブラジャーの目的は、押さえることが一番の目的です。
お胸は主張せず、しとやかに。なるべく平らに平らに、仕上げるためのものなので、通常のブラジャーとは形や構造も違います。
パッドやワイヤーも入っていませんし、お胸をしっかりホールドするため布面積が広くなっており、背中のホックではなく、フロントホック、またはファスナータイプです。
着物の場合は『鳩胸』が良いと聞いたことはありますでしょうか?
お胸は平らに仕上げつつ、主にデコルテ部分にボリュームがある方が衿が決まるので、和装ブラジャーですとバストの上側にパッドが入っていたりします。
和装は通常の下着ではダメなのか?
上記の通り、和装用と通常のブラジャーの用途は明らかに違います。
そのため、当店でお着付けをされるお客様には、通常のブラジャーは外していただくようにお願いしております。
和装用のブラジャーをご用意いただくか、どうしても、という場合にはカップなどが付いていないキャミソールなどをご着用いただいております。
通常のブラジャーで着物を着用された場合、お胸に合わせた補正を入れなければならず、お胸の分だけ胴回りが太くなってしまいます。
またデコルテ周辺がパカパカと浮いてしまうため、着崩れしやすくなってしまいます。同じ理由でカップ付きのブラトップやキャミソール、ノンワイヤーブラなどもお断りしています。
ワイヤー入りのブラジャーですと、着付けで締め付けられるため苦しかったり、痛くなってしまうこともあります。
通常のブラジャーまたはカップ付きインナーはデメリットしかありませんのでおススメできません。
ショーツに関しては、普段着用しているものでも大丈夫です。
ただし、着物はややタイトに着付けますので、ヒップラインが目立ちやすいためご注意ください。
また、腰ひもなどをかけたりするため、股上が深いタイプですとお手洗いなどでの着脱が困難になってしまいます。
ヒップハングのラインの出にくいシームレスタイプやTバックタイプなどのショーツがおすすめです。白系の着物を着用される場合は、肌色に近いベージュなどが良いでしょう。
そして、下着選びにもう一つ大切なポイントは、苦しくない、楽ちんで動きやすいものです。
着物を着用するのは、大切な日であることが多いですよね。 だからこそ、極力快適に過ごせるように、着心地の良い下着選びをしましょう!
いかがでしたか? 和装用下着について色々書きたいことがありまして、まとめていたら想像以上にとっても長くなってしまいました。(笑)
そのため、2回に分けることにしました。
次回は、当店のスタッフや着付け教室の先生もおススメの和装用下着をご紹介したいと思います!!
お客様にとって特別な日を最高の形で残すお手伝いを、小川屋スタッフ一同、誠心誠意努めさせて頂きます。
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